2018年1月18日木曜日

静かに冷めた湯たんぽ


 昨夜は夫の布団に

 湯たんぽをそっと忍ばせておきました


 けれどもその晩、夫はどこかでだれかと飲んだまま、

 朝になってもお昼になっても、帰ってきませんでした


 わたしはそのことに

 とくになんとも思わなかった


 そんな夜、昔はずいぶんと、

 朝までうまく眠れない浅い眠りのなか、

 何度も彼が帰ってくる夢をみて、

 夢から覚めて隣りの布団がからっぽなことに何度も落ち込んで、


 そして結局朝になってもお昼になってもどこにいるのかわからず、

 いったい彼はどこにいるんだろうかとやきもきしたけれども、


 今はもう、

 そんなことに、心はかき乱されないのです


 彼はどこかで朝まで飲んで、

 そしてどこかしらでぐうぐうと寝ているだけです


 彼の布団に入れた湯たんぽのぬくもりがただ静かに、

 朝までかけて

 冷めただけです


 ただ

 それだけです


 そこになにかしらの意味や、

 ありもしない哀しい物語をつけるのは、

 いつのまにかやめました


 そしたら

 心はいつも

 平穏です


 それはほんとう。

 すべては自分の心の反映みたいです。


 わたしは今、じぶんで満ち足りているから、振り回されないのかな。


 わたしはあの若かった頃よりはずいぶんと

 心が楽になったようにおもう。


 それは、

 無感覚になったのではなく、

 もっと大きななにかを手に入れたような。


 なにかにこだわらずにいると、

 いつもやわらかな気持ちでいられるようだ。


 きっといつかまた、

 心がぐわんぐわんとかき乱される日が来るのかもしれないけれど、

 それは、

 またそのときに考えればいい。


※補足
結局その夜は、一緒に飲んでた人の家に流れてそのまま寝ていたらしい。やきもきしたってたいてい、真実はそんなところだ。

(だいたい、わたしの方が朝まで飲んでることが多いから、そこはお互いさまでもある笑)

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