2015年5月24日日曜日

亜土さんのミニライブ


 水森亜土さんの、ミニジャズライブを聴きに、池袋東武百貨店へ。


 亜土さんは、わたしが20〜22才くらいの頃に在籍していた劇団未来劇場の看板女優で、当時とてもよくかわいがってもらった。

 いろんなライブに連れて行ってもらったり、亜土さんの家の屋根裏部屋によく泊めてもらっておすすめのレコードを貸してもらったり、亜土さん選曲のカセットテープ(ブルースやジャズ、レゲエなど)をもらったり、その他たくさんたくさん、心の栄養をいただいた。


 深夜、彼女はいつもアトリエ部屋で絵を描いていた。

 ラジオを聴きながら、カルアミルクとかを飲みながら。

 「イノトモは好きなレコードでも選びな〜」なんて言いながら。


 昼はわいわい元気で、夜は静かに絵に向かう。

 常にアーティスト。

 
 いつも左右違う靴下をはいて(その方がおしゃれ、らしい)、どの服にも必ずポッケが付いていて(付いていない服には縫い付ける)、ほかにもなにかしらのおしゃれなひと工夫が施してある。


 そばにいて、その存在がいつもとてもまぶしく、そしてとても尊敬していた。



 劇団をやめてからは、アルバムを出すたびに手紙とともにCDを送り、

 劇団の公演を観に行ってはちらりと挨拶をさせてもらい、

 という感じで、縁は遠くなりながらも、わたしの中で亜土さんの存在はいつも大きい。



 そして先日、久しぶりに、ライブ前の控え室に顔を出して挨拶させてもらったら、

 わたしの顔をみるなり、

「イノトモー!♪」と笑顔で迎えてくれ、

 どれだけ時間が経っても変わらず楽しく接してもらって、とてもありがたかったなあ、、


 ジャズステージは、相変わらずのかわいさとスイング感で、

 集まったたくさんのお客さんたちも、みんなとっても笑顔だった。

 ほんとにすごいなあ

 わたしもあんなふうに、ずっと歌って行けたらいいなあ

 そんなふうに思った。



 余談。

 控え室での会話で、亜土さんが、わたしが昔に作ってプレゼントしたらしいベストのカセット(ミーターズとか入れてたらしい、、覚えていないけれど…)を、今でも聴いてるよ!と言ってくれて、驚いた。

 わたしも今なお、亜土さんから当時もらったカセットの数々を、よく聴いているから。

 
 そんなふうに音楽で繋がっていたなんて、うれしいな。


 
ポストカードをお土産にいただいた♡

 

2015年5月7日木曜日

うちゅうのうねり

  
息子の13才の誕生日でした。

 13年前の、少し寒い、ときどき小雨の降る夜。

 彼が生まれてくる直前の数時間、わたしは自分の小さなからだの中で、なにかとてつもなく大きなうねり、大地のような、海のような、うちゅうのような、なにか大きな力がとにかく湧き上がってくるのを感じていた。

 ぐおんぐおん、と。

 自分の中から湧き上がる、そして突き上がってくる猛烈な、野性のような感覚。

 圧倒されるようなそのエネルギーに、参ってしまいそうだった。

 そして、そこに時間は存在していなかった。

 そこだけ時間がぐーんと引き延ばされたような感覚で、今が一体何時なのか、どれくらいの時間が経ったのか、今日なのか、明日なのか、まったくわからなかった。

 やっとその大きなうねりと自分とのタイミングがなんとなく分かりはじめた頃、ひときわ大きな押し寄せるうねりの波に乗って、彼は生まれたのでした。


 産み終えて、まさにボロぞうきんのような状態だったときにいただいた、助産院の方が出してくれた夜食のおにぎり、美味しかったなあ


 そんなことを思い出しながら、今日もわたしは彼の大好きなチョコレートケーキを焼く(わたしがこどもの頃に母がよく作ってくれた、甘みをおさえたレシピ)。




 13年間、わたしのそばで健やかに育ってくれてありがとう。


 とても愛おしい気持ちが湧いてくるとき、この気持ちはどこからくるんだろう、と、ときどき思う。

 わたしの奥の、大地や海や宇宙とつながっているところから、こんこんと湧き出す感じ。


 その愛を通して、地球や宇宙や、根源のエネルギーのようなものと、つながっているような気がする。


 風にゆらめく美しい木の葉を眺めるときも。

 朝の小鳥のさえずりに耳を澄ますときも。


 愛おしいわが子をみつめるときも。