2009年6月30日火曜日

 
 先週、ふらりと蛍を探しに出かけた。


 福岡の、田舎の方に住んでいた頃、

 蛍の時期になると時々、家族で山へ蛍を見に出かけた。


 静かな川と、夜と、蛍のまたたき。

 蛍の光は、特別だ。

 儚くて、でもどこか凛としている。


 静かで美しいその光の風景を、

 わたしの夫にもぜひ見せたくって(彼は北海道育ちなので見たことがないそうなのだ)、

 毎年、蛍の季節になると胸がざわざわ騒ぐのだが、

 いつもその時季はとても短い。

 気がつくと蛍はもういない。


 今年ももう、ほとんど終りの季節だが、

 先週、ふと、

 "探しに行ってみる?"

 という流れになり、

 とりあえず電車で簡単に行けそうな場所をリサーチして、

 家族3人で出かけた。


 東京のはずれに、清流があり、小さな森があり。

 
 誰もいない、暗い小さな森の中の川沿いを、ヘッドライトをつけて探検する。

 ときおりライトを消して目を凝らすが、

 蛍らしきものはぜんぜん見当たらない。

 やはりもう時季外れだな。

 
 そんなふうに思いながらも、

 夜の小さな森の探検は、わくわくする。


 蛍がいなくっても、結構楽しかったな。

 来年のいい時期に、また来よう。

 そんなことを考えながらの帰り道。


 小さな光を発見。

 川辺の、茂みに隠れてまたたく小さな光。


 いました、蛍。

 最後の一匹(かどうかは分からんけど)。


 静かに小さく、またたいていました。


 良かった、一匹だけでも見れて。


 来年はぜひ、ふわりふわりとあちこちに飛び交う、

 蛍の美しい風景を彼に見せたいなあ、と思った。


 (ちなみに息子の奎は、2才か3才くらいの頃に、

 福岡でちゃあんと素敵な蛍の風景を見たことがあるのだ。)

  

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