2007年12月31日月曜日

凧騒動

 えー、正月料理を作るのは、今年はあきらめました宣言。


 いつもの大晦日なら、午前から買い出しに行き、午後から夜九時くらいまでかけておせち的なものを一気に作るのだが、今年は、息子と街に出たはいいが、凧をねだられ、凧揚げまでするはめになり(これは去年と同じ流れだ)、そうこうしているうちに凧のやつがものっすご高い木のてっぺんの方にひっかかってしまい、まったく取れなくなってしまった。

 30分もやってないのに。息子半べそ。

 仕方がない、ぜったいにあきらめずにあの凧を取り戻してやる、と腹を決め、持っていた糸をいろんな角度からぐいぐい引っ張る。

 枝はしなるが、凧は逆にどんどん枝に食い込み、しまいには糸がぷちん、と切れてしまった。

 あきらめたい。そう思って息子を見る。

 半べそ。

 ここでちょっと気持ちを切り替えて、自然に落ちてくるのを待とうよ、と提案し、そのまま芝生に寝っ転がって空と木と、凧を眺める。

 凧は強風でもしっかりと枝にくっついており、勝手に落ちてくる気配は皆無だ。

 息子、めそめそと泣く。

 「うーん泣くな!そしたらさあ、あの、引っかかってる木さんに、お願いしてごらんよ!凧をはずしてくださいってさ!」

 そう提案すると、息子は泣きべそをかきながらも、木の根元に走って行き、なにやら一生懸命木にお願いしていた。

 また一段と強い風が吹いて、木はがんがんに揺れ、凧も音を立てながら風を受けている。

 息子の願いが届いて枝が揺れているようにも思える。

 けれど、凧は頑として動かず、息子、まためそめそと戻ってくる。

 
 くそう、がんばるか、ともう一度腹を決め、今度は木に登ってみた。

 でもあまりに高い木の、あまりに高い場所にあるため、半分くらい登ったところで高さにびびって、断念。

 息子を見る。

 暗ーい顔。

 「ママもがんばったしさあ、もうあきらめようよ、」

そう言い聞かせていたとき、通りかかったおばちゃんが、

「むこうの方に、凧とか取ったりするための、長ーい棒があるよ」

 と教えてくれた。


 じゃあその棒にかけてみるか!と、気を取り直して、ふたりして長ーい棒を運び、再び挑戦。

 でも、高すぎて、長い棒でもやはり届かない。

 あきらめかけたその時、通りがかりのおじさんが、

「なに?あの凧を取りたいの?どれ。」

と、棒を受け取って、凧と格闘しはじめてくれたのだ。

 がぜん勇気が出るね。

 おじさん、30分以上は粘ってくれた。

 凧には届かないので、そこからつながってる糸からアプローチし、がさごそがさごそあれこれあれこれ、重たい棒を振り回し、汗までかいて。

 ああすみません、もう、もう、あきらめてもいいですよ、と心の中でサインは送っていたのだが、

「あ、今いい感じに動きました!」

とか声援送っちゃって。

 結局、おじさんの大奮闘のおかげで、最終的には、無事、凧ゲット!!

 うわあほんとにありがとうございます!!と、おじさんと熱い握手を交わす。

 息子も元気を取り戻し、再び凧げながら走り出す。今度は、糸は短めに。

 ふう。


 というわけで、正月料理のための気力も時間も、そこで使い果たしてしまったわけです。


 お雑煮だけでいいや。

 あと鍋で。

 そんなムードの気だるい大晦日です。

 いやでも、凧が戻ってきてほんとに良かった。
 戻ってこなかったら、もう一度買うのは嫌なので、母さんが手作りしてやる、と、約束していたのだ。そんな気力、もうないしね笑。
 
 あのおじさん、ほんとにどうもありがとう。


 みなさん、よいお年を。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

あけましておめでとうございます。 
今年もイノトモさんの素敵な歌を聴くため、必ずライブに足を運ぶつもりです。
体を大切に、のんびりと頑張ってください。

凧のおじさん、グッジョブ!

イノトモ さんのコメント...

すずきさん
コメントありがとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします!